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神経内科通信

2017年01月号 「今年もよろしくお願いいたします」

明けましておめでとうございます。平成二十九年を迎えました。年の初めは気持ちが引き締まるものですね。今年も外来業務に真摯(しんし)に取り組んでまいる所存です。旧年同様、当外来をよろしくお願いいたします。
定期検査・健康診断を積極的に受けましょう
 私事ですが昨年の春、五十歳になったのを機に生まれて初めて胃カメラ検査を受けました。それまで胃の病気をしたことがなく、特に胃の不調もありませんでしたから自信満々で受けたわけですが、自分の予想に反して胃に良性ポリープが見つかりました。自覚症状がないことと、検査をして全く問題がないこととは必ずしもイコールではないのだな、と改めて感じた次第です。むしろ症状がないからこそ、積極的に検査を受ける意味があるのかも知れません。
 さて、当外来における毎年恒例の診療目標ですが、今年は定期的に通院なさっている方々に対して、「各種検査を積極的に受けてもらい、ご自分の身体の弱点を正しく把握していただく」ことにいたしました。
過去、自覚症状がない方に行った定期検査で、次のような病気が見つかったことがあります。数例を挙げてみます。
① 検尿で腹部大動脈りゅうが判明。
 毎年行っていた検尿検査で初めて尿たんぱくが陽性。お腹の診察をすると、おへその周囲に心臓の拍動が大きく触れました。レントゲン検査で腹部大動脈りゅうが見つかり、早急に手術が行われて、この方は一命を取り留めています。
② 胸のレントゲンで肺がんが判明。
 これは平素よく見聞きします。肺がんは通常の採血検査で見つけることができません。咳やたんの症状がなくても胸のレントゲンで肺がんが見つかることはよくあります。定期的な胸のレントゲンは必須の検査といえるでしょう。
③ 採血で薬の副作用が判明。
 内科外来において定期的に行う採血検査では、血糖やコレステロールのチェツクの他にも、貧血や肝臓、じん臓の機能などをみる項目が盛り込まれます。新しく薬を飲み始めた際には、特に肝臓やじん臓の機能を調べなくてはいけません。定期の採血検査で薬の副作用が見つかり、早い段階で同薬の内服を中止として、患者さんの内臓を守ることができた経験を私は数多くしています。
 検査を積極的に受けていただき、今年一年をどのように過ごすかをお考えになるのも、意外と大事なことなのかもしれません。
( 文・神経内科 則行 英樹)
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