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神経内科通信

2019年08月号 「からだの雑学〇×クイズ その2」

 前回に引き続きまして、気楽にクイズをお楽しみください。以下に示します問題が正解であれば「〇」、不正解であれば「×」とお答えください。
 
【問題1】くしゃみの最大時速は時速約80キロである。〇か×か?
 
【問題2】肺の中で酸素と二酸化炭素を交換する場所を肺胞(はいほう)というが、この肺胞を広げるとたたみ約1畳分となる。〇か×か?
 
【問題3】人体において、血液を流す血管をタテに一本につなげると。だいたい1000メートル(1キロメートル)くらいになる。〇か×か?
 
 さて、今回も3つの問題を用意しましたが、いかがでしたでしょうか?
 
【問題1】人はなぜくしゃみをするのでしょうか? 実は長く医者をしている私はこれまでに一度も考えたことはありませんでした。一般的に、くしゃみには「鼻の中に入った細菌やゴミを鼻の外に出す」働きがあるわけですが、いろいろ調べてみますと他にもあるようで、「一気に噴き出される空気によって鼻の中の空間全体を一瞬でクリーンな状態にする、鼻の粘膜表面を覆う細胞の働きを活性化する、使いすぎて乱れてしまった鼻の機能を元に戻す(リセットする)」などがあるそうです。驚くべきことに、人間の鼻は1日約1リットルの粘液を出すそうです。さて話を元に戻します。くしゃみの最大速度ですが、最高で時速160キロだそうです。すごいですね。というわけで答えは「×」となります。
 
【問題2】人間に限らず、生物が生きていくためには空気中の酸素を体内に取り込み、細胞の活動によって生じた二酸化炭素を外に排出しなければなりません。この酸素と二酸化炭素を交換する肺の中のたくさんの小さな部屋を肺胞といいます。私は知らなかったのですが、この肺胞をすべて広げると約70平方メートル、だいたいテニスコート1面分に相当します。これだけの広さを持つからこそ、効率よく酸素を体内に取り入れることができるのですね。答えは「×」です。
 
【問題3】について。人体においてポンプの役割を担う心臓から送り出された血液は、まず動脈の中を流れて、やがて毛細血管に移行し、さらには静脈の中を通って心臓に帰ってきます。からだの隅々にまで栄養を届け、不要なものを流し去る血液を流す血管は全身に張り巡らされているわけですが、その総延長は実に約10万キロメートルと言われていまして、これは地球を2回転半する長さに相当します。この数字は衝撃的で、調べていて私は大変に驚きました。この問題の答えは「×」となります。
 
 調べれば調べるほど人体は不思議と驚きに満ちています。まさに生命は奇跡なんだな、と改めて感じました。( 文・神経内科 則行 英樹 )
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