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神経内科通信

2022年1月号 新年明けましておめでとうございます

令和4年を迎えました。旧年同様、今年もよろしくお願いいたします。今年こそコロナ感染症が完全に収束し、通常の生活が戻ることを願いたいものです。みなさまにとって良き一年となりますよう、心よりお祈り申しあげます。

定期検査をお受けください
当院では内科疾患をお持ちの方に対して定期的に検尿、採血、胸部レントゲン、心電図をセットにしてチェックさせていただいております。「まったく症状がないのに検査なんかして何か意味があるのか?」という疑問をお持ちの方がいらっしゃるかもしれません。実は定期検査には大きな意義があります。
① くすりの効果判定・・・特に生活習慣病(脂質異常症、糖尿病、高尿酸血症など)にて定期の内服処方を受けておられる方には、採血の結果でもって生活指導を強化したり、くすりの内容や量の変更を考えることになります。場合によってはくすりの減量や中止を決定する根拠となることもあります。ホルモン病をお持ちの方であれば、定期的な血中ホルモン量の測定は治療上、大きな意味がありますし、心臓病の方の評価に胸のレントゲン、心電図は不可欠です。また、ワーファリンという血液をサラサラにするくすりがありますが、このくすりは効きすぎれば出血し、効いていなければ血管内に血栓(血のかたまり)ができてしまいます。服用量が適切かどうかの評価は採血で行います。
② くすりの副作用・・・体内に入ったくすりは肝ぞうや腎ぞうで分解されて体外に排出されます。したがいまして、たとえ症状がなくても、時にくすりが原因で肝障害や腎障害が起こっているケースがあります。また、くすりの種類によっては筋肉が壊れたり、血糖が上がったり、貧血が進行したりすることがあり、自覚症状がないうちは採血以外に発見する方法はありません。
③ 病気の早期発見・・・症状がないことと病気がないこととは必ずしも同じ意味ではありません。症状がない段階で病気を発見できるのも定期検査の長所と言えます。過去に私が経験したケースでは、通常の定期検査で早期肺がん、白血病(血液のがん)、胃かいよう、腹部大動脈りゅう(血管のこぶ)、命にかかわる不整脈(脈の乱れ)などが見つかっていまして、それぞれ早期に適切な治療を開始することができ、今でもみなさんは元気にお過ごしです。
 健康のために日常生活で何に気をつければよいか、そのヒントを得ることができるのも定期検査です。自分の身体の弱点を知ることこそが健康的な生活への第一歩だと思いますが、いかがでしょうか。 ( 文・神経内科 則行 英樹 )

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