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神経内科通信

2013年01月号 「明けましておめでとうございます。」

  平成25年を迎えました。今年も気持ちを新たにして診療に取り組んでまいる所存です。旧年同様、よろしくお願いいたします。さて、年の初めに当たりまして、当外来の目標を掲げたいと思います。
 
(1)寝たきりの原因となる病気の予防に努めます。
  平成22年に国が発表した「要介護状態になった原因」の統計を見ますと、第1位 脳卒中(24.1%)、第2位 認知症(20.5%)、第3位 高齢による衰弱・老衰(13.1%)、第4位 骨折・転倒(9.3%)、第5位 関節疾患(7.4%)、第6位以下、パーキンソン病、心臓病、糖尿病、呼吸器疾患、ガン、と続いています。その中には防ぎ得ない、仕方のないものも含まれますが、予防可能な病気もかなりあることに気づきます。特に脳卒中と骨折・転倒については確実に予防が可能であり、それらを予防することで寝たきり状態の方を大幅に減らすことができます。その結果、家族の方々の肉体的・経済的な負担を軽減することが叶うばかりか、医療費の削減も果たすこと(医療経済への貢献)ができるわけです。 当外来としては、脳卒中発病の主な原因(危険因子)である、高血圧と不整脈の管理をさらに徹底し、転倒や骨折を起こさせないための個別生活指導を強化してまいります。
 
(2)もの忘れ・頭痛・めまい外来を充実させます。
  高齢化を反映してでしょうか、もの忘れに悩む方が年々増えてきております。当外来がもの忘れについての良き相談窓口となり、並行して正しい診断と適切な治療が行えるよう努めてまいります。私自身、これまで多くの研究会に参加し、認知症を専門とする先生方と交流を深める中で、多くの最新知識を学ばせていただいております。その知識をより多くの患者さん方に還元することも私の使命の一つと信じます。また、認知症の患者さんを寝たきりにしないような治療法の研究も重要テーマの一つに位置づけます。
 
  また、慢性の頭痛やめまいに悩む方々にも役立つ外来を目指します。数年にわたる研究の結果、首の骨(頸椎)のゆがみと慢性頭痛との関連性がかなり明確にわかってまいりました。痛みを単に鎮痛剤でおさえるのみの治療から卒業して、薬の効きやすい身体をご本人自らが作っていただくことを目標に、患者さんと二人三脚で頑張ってまいりたいと思います。
 
  最後になりますが、慢性のめまいを訴える方には少なからず、脳血流の問題が潜んでいます。検査を通じて、症状の原因を正確に理解していただき、よりよい治療に取り組みます。
 
( 文・神経内科 則行 英樹 )
 
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