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腹部ヘルニア外来

腹部の様々なヘルニア(脱腸): 鼠径ヘルニア、腹壁ヘルニア、食道裂孔ヘルニア、大腿ヘルニア、閉鎖孔ヘルニア、臍ヘルニアなどに対して、腹腔鏡下手術(傷が小さい、痛みが軽い)を中心に手術を行っています。年齢、大きさ、リスクなどによっては、局所麻酔での手術など、いろいろな方法で対応できます。

診療について

●診療日/毎週月曜日~金曜日
●診療時間/午前8時30分~午後0時30分/午後1時30分~午後5時30分
受付窓口(1階)
電話 0979-22-0192

<例えば・・・>

鼠径(そけい)ヘルニア(脱腸)

鼠径ヘルニア(脱腸)とは、足の付け根の辺り(鼠径部)で筋膜が薄くなっている部分から、腸などの内臓が腹腔外に飛び出してしまった状態です。患者さんの約9割が男性で、50歳代以上の方が特に多いといわれています。
男性には、鼠径管と呼ばれる通路が存在します。鼠径管は、本来内臓である睾丸を胎児期に体外に出すために使われる管ですが、加齢などによって筋膜が弱ると鼠径管が開きやすくなってしまいます。
鼠径ヘルニアの多くはこの鼠径管に腸が入り込むことで起こります。
なお、太腿にある大腿管と呼ばれる大血管と神経の通り道から腸が飛び出す大腿ヘルニアも鼠径ヘルニアの一種です。大腿ヘルニアは女性でも、加齢や出産などで筋肉や筋膜が緩んだり、重たい物を持つなど腹圧がかかるような状態が続いたときに起こり得るヘルニアです。
また、小さな子供でも鼠径ヘルニアにかかることがありますが、子供の場合は、先天的に(生まれた時から)筋肉の一部が薄くなってしまっていることが原因であり、成人の鼠径ヘルニアとは、原因も治療も異なります。
このページでは、成人の鼠径ヘルニアのみを解説します。

<症状>

鼠径部という、太ももの内側の部分が膨らみます。膨らんだ部分の中身は、大部分が腸です。初期はおなかに力を入れた時に膨らんで指で膨らみを押すと引っ込むことが多いのですが、放置すると、腸が周囲の筋肉で締め付けられて押しても戻らない「嵌頓(かんとん)状態」になることがあります。
鼠径部に重苦しい感じがする、痛みがあるなどの症状のほかに、大腸脱出の場合は便秘になる、膀胱脱出では排尿障害が起こるなど、どの部分が飛び出してしまうかで症状は異なります。
嵌頓状態になっている場合は、腸が狭窄して血流が途絶えることから、痛み、便秘、嘔吐など腸閉塞の症状が出ることもあります。嵌頓状態の場合は、壊死や敗血症を引き起こして緊急手術を要する場合もあります。
ヘルニアと嵌頓
▲ヘルニアと嵌頓

<検査>

基本的には、視診と触診で診断されます。鼠径ヘルニアと診断されたら、脱出している部分の状態を詳しく見るための超音波検査や下腹部CT検査を行うことがあります。

<治療>

鼠径ヘルニアの基本的な治療は手術です。
腸などが脱出してしまう穴(筋肉の隙間)を、人工のメッシュ(網)などで内側からふさぐ手術をします。
手術を行うと、鼠径ヘルニアの症状はなくなります。見た目が元通りになり、腹部の違和感がなくなるだけでなく、鼠径ヘルニアの悪化した状態である嵌頓状態になることを予防できます。
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