神経内科通信
2018年01月号 「明けましておめでとうございます。」
新年明けましておめでとうございます。今年もみなさまの健康をしっかりとサポートしてまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。
身体の弱点を理解しましょう。
私自身の話となり恐縮ですが、若いころはまったくの病気知らずだった私も今や片頭痛、腰痛症、めまい症、痛風発作、強度近視からくる目の不調、咳ぜんそくなど、さまざまな病気を経験するようになりました。病気がちとなった今、痛感することがあります。それは「若いころは少々無茶をしても身体が勝手に調子を取り戻してくれていたが、今は日頃から身体のケアをしっかりして機嫌をとっておかないと、しっぺ返しで病気になってしまう」ということです。
身体のケア、と口で言うのは簡単ですが、実際に行うとなるとなかなか難しいものです。しかし、自分の身体の弱点を単に知るだけではなく。きちんと「理解」しておけば何となくでもケアの方向性がみえてくるかもしれません。
それでは身体の弱点を理解する上で大切なことは何でしょうか。定期的に外来通院なさっておられる方は、最近受けた検査データの異常や処方されているくすりが具体的に身体のどこに作用するのか、あたりから考えるのが一番だと思います。データの異常を正常化するには日常生活で何が大切なのか、服用中のくすりが最大限によい働きをするには何を心がけたらよいか、これは身体の弱点を補強する大きなポイントになります。さらに言いますと、担当医としっかりコミュニケーションをとることにより、病気が悪化するときに身体に出るサインやこれから起こりやすい病気をあらかじめ知ることもできます。
以前の私は慢性的な身体の不調を訴えられる患者さんに対して「それは年齢のせいでしょう、どうにも仕方がないですね」と簡単に説明していたものですが、最近では病状の説明に「年齢のせい」という言葉をあえて用いないようにしています。なぜならば、十人の患者さんがおられれば十通りの弱点補強の方法があることに気がついたからです。
まずは検査を受けることです。たとえ正常なデータでも、なぜ正常だったのかを考えると、生活習慣上のいろいろなヒントが得られます。もちろん、異常があればなぜ異常なのか、正常にするにはどうしたらよいのか(時には力ずくで正常にする必要があるのか)、データの異常から今後起こりやすい病気が予測できないか、このあたりを医師とともにしっかり考えるとよいと思います。
「年齢のせい」は単なる言い訳かも知れません。(文・神経内科 則行英樹)