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神経内科通信

2019年07月号 「からだの雑学〇×クイズ その1」

 
 最近、堅苦しいテーマばかりが続きました。今回は気楽にクイズをお楽しみください。正解であれば「〇」、不正解であれば「×」とお答えください。
【問題1】酸素をたくさん含んだ血液が流れる血管を動脈という。〇か×か?
【問題2】血圧は動脈の中を流れる血液のスピードを測る。〇か×か?
【問題3】「かくれ肥満」とは見かけよりも体重が重い人をいう。〇か×か?
 さて、3つの問題を用意しましたが、いかがでしたでしょうか?
【問題1】について。血液には生命の維持に不可欠な働きがいくつも備わっているのですが、その中でとくに有名なのは、「空気中の酸素をからだの隅々の細胞に運ぶ」という働きでしょう。このことは小学6年生が理科の授業でも習います。そして血液の循環させるために心臓がポンプとなり、一生を通じて血液を全身に送り続けます。血液の中には赤血球があり、その中のヘモグロビンという物質と酸素がくっついて血管内を流れます。鉄道で東京に向かう路線を上り、東京から離れる路線を下りといいますが、これと同じく心臓に向かう血液を流す血管を静脈、心臓から離れる血液を流す血管を動脈といいます。細胞に酸素を渡し終えたヘモグロビンが再び肺から酸素を受け取るため、心臓から肺に血液を送る血管を肺動脈といいますが、ここを流れる血液は酸素が豊富ではありません。というわけで答えは「×」となります。
【問題2】について。最近ではご自宅で血圧測定をなさる方が増えました。そもそも血圧とは何なのか、それを尋ねているのがこの問題です。もうおわかりだと思います。読んで字のごとく血「圧」という名が示しますように、血圧とは圧力、すなわち血液が動脈の壁を押す力のことをいいます。よって答えは「×」です。ちなみに動脈の中を流れる血液のスピードを測る検査ももちろんあります。これは動脈硬化の進行の具合をみるために実施するものです。
【問題3】について。
 結論からいいますと、かくれ肥満とは「体重は正常だが体脂肪率が高い(男性で25%以上、女性で30%以上である)状態)」をいいます。つまり、体重が重いから肥満、とする従来の考え方はもはや古いということになります。かくれ肥満は運動不足とかたよった食事が主な原因とされ、生活習慣病にかかりやすく、結果としてさまざまな血管病を引き起こすことになるのだそうです。あるデータによりますと、三十歳以上の女性の十人にひとりが隠れ肥満で、四十歳代の男女の四人に一人はかくれ肥満の予備軍とのことでした。従いまして、答えは「×」となります。続きは次号にて。 ( 文・神経内科 則行 英樹 )
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