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神経内科通信

2020年4月号 「フレイル」をご存知ですか?

平成28年の国民生活基礎調査によりますと、わが国における高齢者の要介護状態(寝たきり状態を含みます)を引き起こす原因の第一位が「認知症」、第二位が「脳卒中」、第三位が「高齢よる衰弱」、以下「骨折・転倒」、「関節疾患」となっています。いずれにせよ、年齢を重ねるにつれ、脳や内臓の働き、骨や筋肉の強さ、体力などが低下してしまい、そこに病気を発症した結果、健康が損なわれて介護状態におちいってしまうことになります。老化現象は生きとし生けるものの宿命であり、こればかりは医学も無力です。ですが、自分の体の変化を知り早めに適切な対応をすることによって、要介護状態となる時期を遅らせる、すなわち、「健康寿命を延ばす」ことは可能だと思われます。

考えてみますと、私たちは「健康で自立して生活できる状態」と「自力での生活が難しい要介護状態」のどちらか、というわけではありません。たいてい、要介護状態の準備期ともいえる時期、つまり適切な方法を行えば健常な状態に戻れる時期を経験します。このように健康と要介護の中間的な状況を「フレイル」と呼び、これは平成26年に日本老年医学会より提唱されました。

フレイルには3つの側面があるとされます。それは身体的フレイル、精神・心理的フレイル、社会的フレイルです。まず身体的フレイルは一番理解しやすいです。ごく簡単に言えばこれは体力の衰えを意味します。体力の低下から病気になりやすい、転びやすいなど、これらは身体的フレイルの大きな徴候です。次に精神・心理的フレイルは認知症やうつ病によりもたらされます。社会的フレイルは、一人暮らし、ご近所付き合いがない、趣味や楽しみがないといった刺激の少ない生活によりもたらされます。これらの3つが相互に影響し合い、身体の能力を低下させていく、というわけです。それではフレイルを早期に見つけるにはどうすればよいでしょうか。次の質問が有効です。

   半年間で2~3キロの体重減少がありましたか?「はい」で1点。

   以前に比べて歩くスピードが遅くなりましたか?「はい」で1点。

   ウォーキングなどの運動を週に1回以上していますか?「いいえ」で1点。

   5分前のことが思い出せますか?「いいえ」で1点。

   (ここ2週間)わけもなく疲れたような感じがしますか?「はい」で1点。

以上の項目で3点以上がフレイルとなります。意外なことに多くの高齢者の方々がご自分のフレイルに気がついていないとの報告があります。まずは3つのフレイルの悪循環を断ち切ることが大切です。積極的に病院スタッフ、ケアマネージャー、ソーシャルワーカー等に相談を。( 文・神経内科 則行 英樹 )

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