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神経内科通信

2020年7月号 日光浴の効用

 以前、私の外来に定期受診されていた方を思い出します。その方は九十歳を超えた男性でした。毎日血圧の薬を服用なさってはいましたが、大変お元気な方で、背筋も伸び、頭の回転もよく、見た目も非常にお若い方でした。いつのことだったか、診察の時にその方に質問したことがあります。なぜ、そんなにお元気なのか、その秘訣を伺ったのです。私はてっきり食べ物や運動といった生活習慣、あるいは趣味のことをお話しなさるのかな、と思いましたが、答えは意外にもシンプルでした。「いやあ先生、簡単なことじゃ。お天道さまの光をいっぱい(胸を指さしながら)ここに浴びることしかしとらん。」 
 私たちはこのアドバイスから2つのポイントを学ぶことができます。一つは
姿勢をよくすることが大事であるということ。うつむき姿勢では日の光を胸に浴びることはできません。そしてもう一つ。それは朝の日光浴が大切ということ。真昼の太陽は高い位置にありますので、胸に光を浴びようとすれば屋外で仰向けに寝転ばなければなりません。夕方の太陽は強すぎるか、弱すぎるかという感じです。やはり朝が一番ですよね。毎朝決まった時間に起床し、天気の良い日という条件はつきますが、外に出て胸をはり、大きく深呼吸しながら身体全体に太陽の光を浴びる、これは今や私の習慣になっています。朝の深呼吸は本当に気持ちがよいです。体調だけでなく、不思議と気分も良くなります。 
「公益財団法人 骨粗しょう症財団」のホームページに日光浴のコツが書かれていました。そこには「夏なら木陰で三十分、冬なら手や顔に1時間程度、日に当たるだけでじゅうぶんです」とあります。これからの季節であれば、木陰で三十分の日光浴が目安になろうかと思います。
 よく知られていることですが、日光浴の有名な効用には以下のものがあります。まずは骨を作るうえで欠かせないビタミンDの合成が促進されるということ。よく間違うところですが、骨を丈夫にするためにはカルシウムをたくさん摂るだけでは不十分なのです。また、ビタミンDはからだを外敵から守る免疫機能を高めるうえで大きな役割を担います。ウイルスや細菌の感染からからだを守るためにも日光浴は役立ちます。次には精神の安定効果。脳内の「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンという物質が、日光浴によって分泌されます。その結果、気分が安定し、うつ病の予防に役立つのではないか、といわれています。実際に私の経験からも、日光浴後は実に気分が爽快になります。これは気のせいではなさそうですね。コロナ禍によるステイ・ホームで毎日閉じこもりがちな方、ご一考をお勧めしたいと思います。( 文・神経内科 則行 英樹 )
 
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