神経内科通信
2007年11月号 「脳卒中の徴候を見逃さないために」
先月号では、日本脳卒中協会が提唱した「脳卒中予防十か条」をご紹介いたしました。それでは今回は、脳卒中を疑う代表的な症状についてお教えいたしましょう。脳卒中の治療は時間との勝負です。できれば発病から3時間以内、遅くとも6時間以内には治療を開始しなければいけません。ですから以下にお示しする症状があなた自身、あるいはご家族にみられたら、直ちに救急病院を受診する必要があります。大切なことですので、しっかりとお読みください。
警告症状 その一 突然おこる原因不明の激しい頭痛
くも膜下出血を発症された患者さんに詳しくお話を聞きますと、はじめに出た症状は「いきなりバットで殴られたような激しい頭痛」だったそうです。あまりの痛みに思わずその場にしゃがみ込んでしまったとのことでした。
くも膜下出血を発症された患者さんに詳しくお話を聞きますと、はじめに出た症状は「いきなりバットで殴られたような激しい頭痛」だったそうです。あまりの痛みに思わずその場にしゃがみ込んでしまったとのことでした。
警告症状 その二 突然半身がしびれたり、力が抜けたりする
この症状は「半身」というところが大切です。つまり症状がおこるのは「右半身」か「左半身」かということですね。しびれの性質としては、正座で足がしびれた時のように、ジンジン・ビリビリすることが多いようです。それが半身に出るわけですね。力が抜ける場合は、歩きにくい、食事のときにお箸や茶わんが持ちにくい、といったことで気づかれるようです。
この症状は「半身」というところが大切です。つまり症状がおこるのは「右半身」か「左半身」かということですね。しびれの性質としては、正座で足がしびれた時のように、ジンジン・ビリビリすることが多いようです。それが半身に出るわけですね。力が抜ける場合は、歩きにくい、食事のときにお箸や茶わんが持ちにくい、といったことで気づかれるようです。
警告症状 その三 しゃべりづらい、言葉が理解できない
急に呂律(ろれつ)が回らなくなる、あるいは思うように言葉が口から出てこない、耳から聞こえる言葉が理解できない。このような場合も脳卒中を疑います。脳卒中は何も麻痺(まひ)や頭痛で気づくというわけではありません。
急に呂律(ろれつ)が回らなくなる、あるいは思うように言葉が口から出てこない、耳から聞こえる言葉が理解できない。このような場合も脳卒中を疑います。脳卒中は何も麻痺(まひ)や頭痛で気づくというわけではありません。
警告症状 その四 突然目が見えなくなる、ぼやけて見える(とくに片目)
突然目の前が真っ暗になり、それがしばらく続く症状を「黒内障(こくないしょう)」と呼びます。もちろんこれは眼科の病気でも起こりえるわけですが、原因が目であれ脳であれ、血管の中の血のめぐりが悪くなっていると考えられます。ただちに検査・治療を要することが多いので気をつけてください。
突然目の前が真っ暗になり、それがしばらく続く症状を「黒内障(こくないしょう)」と呼びます。もちろんこれは眼科の病気でも起こりえるわけですが、原因が目であれ脳であれ、血管の中の血のめぐりが悪くなっていると考えられます。ただちに検査・治療を要することが多いので気をつけてください。
警告症状 その五 突然めまい(ふらつき)が他の症状に伴なって起こる
耳鼻科の病気で「メニエール氏病」がありますが、脳卒中でも非常に似た症状を起こすことがあります。すでに耳鼻科から診断されている場合は別として、めまいをあまり簡単に考えずにすぐに検査を受けていただきたいと思います。
耳鼻科の病気で「メニエール氏病」がありますが、脳卒中でも非常に似た症状を起こすことがあります。すでに耳鼻科から診断されている場合は別として、めまいをあまり簡単に考えずにすぐに検査を受けていただきたいと思います。
以上、早期に脳卒中を見つけるための症状を述べました。これからの季節は特に脳卒中の発症に注意が必要です。とにかく、からだの様子がいつもと違うと感じた時には十分にお気をつけください。
( 文・神経内科 則行 英樹 )